神社のバリアフリーについて

本文まで移動する
新着情報

神社のバリアフリーについて

8月に、小牧市下末の天満天神社において、拝殿前を洗い出し仕上げにする工事を行いました。
定例の会議で総代さんより「車椅子の人がお参りしやすい様にした方が良いのではないか」との意見が出て、費用的に支出できる額であった為行った工事です。

公共施設やショッピングセンターは20年以上前からバリアフリーが進んでいますが、神社は敷地が広大で古い建物も多く、中々目に見えてバリアフリーが進んでいるとは言えません。しかし、総代さんはじめ地域の方も高齢化しており、例えば今まで座礼(正座しての祭祀)であった神社も、立礼(胡床等椅子に座る)に切り替えるところが増えています。しかし、上述の様に神社は敷地が広大な事が多く、例えば社務所から本殿までの数十m、鳥居から社殿までの100m以上、または和式のトイレを身障者対応に…となると、それだけで数百~数千万の費用が掛かり、中々公共施設や商業施設の様にはいきません。大規模な造営に際して…でもなければ、おいそれとバリアフリー化するのは難しいのが実情で、そうこうしている内に過疎地の神社はそもそも神社そのものの維持が難しいと言う局面に陥るでしょう(現にそうなっています)。

バリアフリー以外でも、例えば下水道敷設地域で浄化槽を下水管に接続し直す場合、水場から下水管まで何百mもある、またはその動線上に森や人工物がある…等の場合、莫大な費用が掛かる、またはそもそも工事が不可能、と言う場合もあります。当職所管神社でも、山の中にあるわけではないけれど電気の通っていない神社があります。社殿にも照明類はありませんが、そこまで電線を引くとなると境内(所有者負担)への電柱、支柱の設置と引き込み工事だけで数百万は掛かると思います。現状電気が無くても困っていないのでその予定はありませんが、仮にどうしても常設の電力が必要になれば、ソーラーパネルと蓄電池を設置したほうが安上がりかな…と考えています。

この様に、神社は水道や電気一つとっても、その導入や改修に大きな手間と費用が掛かります。バリアフリー含む施設の近代化も、進めていかなければならない事ではありますが、現実にはなかなか進められないのが現状です。